小さな工夫
腎瘻カテーテル固定の工夫
高岩 正至
1
,
中野 路子
1
1米沢市立病院泌尿器科
pp.91
発行日 1999年1月20日
Published Date 1999/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902505
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腎瘻や尿管皮膚瘻に通常留置する腎盂用14Fのバルーン付きカテーテルを使用する場合でも,腎盂内でバルーンを通常どおりに膨らますと,腎盂からカテーテルへの尿の流出が悪くなってしまうためにバルーンをあまり膨らまさず,その代わりにカテーテルの出口部でカテーテルと皮膚とをカテーテル交換のたびに縫合固定し,カテーテルが自然抜去するのを防ぐことはしばしば経験する。しかし,カテーテル交換のたびの皮膚縫合固定は患者にとって不快であり,皮膚の縫合部が引きつられて痛いという訴えも多い。そして,皮膚の縫合固定部は時間の経過とともに感染して発赤腫脹するため,患者の苦痛は増強する。
筆者らは,カテーテルを皮膚縫合しなくてもカテーテル出口部でカテーテルが固定できる次の方法を考案した。(1)カテーテル出口部からカテーテルが走行する方向に20mmほど距離をおき,尖メスとモスキートペアンにて20mmほどの皮下トンネルを作成する。(2)カテーテルを先端がカテーテル出口部方向に向くように,皮下トンネルを貫通させたモスキートペアンにカテーテル先端を保持させながら,この皮下トンネル内にカテーテルを貫通させる。(3)腎盂内まで挿入したガイドワイヤーの尾部を(2)のカテーテル内に先端から挿入する。(4)カテーテルを腎孟内まで誘導の後にガイドワイヤーを抜去する(図1)。(5)皮下トンネルの前後のカテーテルを棒結びにて縫合固定し1),お互いの糸を連結縫合する(図2)。
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