小さな工夫
尿道筋電図と膀胱内圧を同時に測定するためのカテーテルの工夫
高岩 正至
1
1福島労災病院泌尿器科
pp.523
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203830
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尿道筋電図は神経因性膀胱の診断法の1つとして重要なものとされている。そのための電極類もいろいろと市販されており,それぞれに長所と短所があるようである。その中の1つにFoley catheterの一部に輪状電極を装着し経尿道的に尿道筋電図を測定する方法がある。この方法は簡便で無侵襲的な方法でありスクリーニング的な検査に使用するのに適していると思われる。現在この種の電極がLife Teck社とDisa社からそれぞれ販売されているようであるが,単価が5万円以上につき,また電極の位置や太さ,精度に関して問題が残り,測定結果も必ずしも満足の得られるものではないようである。このため筆者は第1図に示すような金属電極付Foley catheterを考案し使用している。金属電極として用いたのは外径6mm,長さ6mm,肉厚0.5mmのステンレス管であり,その外側は尿道内に挿入した際に尿道粘膜が損傷を受けないように十分に研磨されており,導線として用いた直径0.26mmのテフロン被覆銀線もカテーテル内腔を通つて尿道外部へ誘導されるようにした。バルーンから電極までの距離によつて3種類のカテーテルを作製し女性用,男性用,前立腺肥大症用とした。
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