小さな工夫
小児の腎瘻,膀胱瘻カテーテルのカフによる固定
高橋 剛
1
1静岡県立こども病院泌尿器科
pp.531
発行日 1978年6月20日
Published Date 1978/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202562
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小児の分野で水腎症,後部尿道弁,膀胱尿管逆流,神経因性膀胱などに対して腎瘻術,膀胱瘻術を行ない,長期にバルーンカテーテル留置を行なう機会がしばしばある。症状の落着いた時期にはカテーテルを洗浄,包交できるように家族に指導し,家庭に帰しているが,家族にとつてはかなりの負担である。特にカテーテル挿入部をガーゼでおおい,絆創膏で固定する以前からの方法は,動きの激しい乳幼児では難しい手技であり,また絆創膏による皮膚炎も悩みの種である。そこで図のようなシリコンゴム製のカフを考案,ガーゼと絆創膏の代りに挿入部に当ててみた(第1,2図)。シリコンゴムであるので皮膚への刺激も少なく,ガーゼ交換もいらないので非常に簡単で,入浴も気楽にさせられる。カフがカテーテルと密着していないと,皮膚から浮き上ることがあるが,その際は絆創膏で小さくおさえればよい。カテーテルは2週間に1回交換するが,その際カフも交換している。
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