小さな工夫
遊走腎患者のための腰部ベルトの工夫
高岩 正至
1
,
山口 脩
2
1米沢市立病院泌尿器科
2福島県立医大泌尿器科
pp.1069
発行日 1992年12月20日
Published Date 1992/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900762
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遊走腎のために長時間立位を保持したことにより腰部の重苦しさを訴える患者は意外と多い.仕事の関係で横になって休憩をとることもできずに夕方まで痛みをこらえて生活しているとの訴えを聞くこともまれではない.このような患者に対して腎固定術の手術もありますと一応説明はするものの,疼痛に関する訴えがあくまで主観的なものだけに治療効果を聞かれた際に確実な返答ができず,また患者側も入院して手術を受けるくらいならば我慢した方が良いと考えることが多いようである.その結果,腹帯を腰に巻くようにとか市販のコルセットや幅の広めのベルトを見繕って使用するようになどと説明することになるが,どれ一つとっても腎の下垂を効果的に予防し,かつ患者がそれを長期にわたって使用し得るものとは言えず,これが良いという具体的な製品を患者に勧めることがこれまで困難であった.
何とか良い策を考えてほしいという患者の要望が強かったため種々の医療用バンドを集め検討を加えた後,次の方法を患者に適用した.
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