小さな工夫
恥骨後式前立腺全摘除術の尿道膀胱吻合時における簡便な運針法
三股 浩光
1
,
野村 芳雄
1
1大分医科大学泌尿器科
pp.621
発行日 1998年7月20日
Published Date 1998/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902385
- 有料閲覧
- 文献概要
恥骨後式前立腺全摘除術を行う際,手技上なお問題とされているものに尿道膀胱吻合がある。特に尿道断端6時の部位は運針が困難であり,施設によっては5時と7時の部位で済ます場合もある。筆者らは尿道断端6時の部位を容易に運針できる方法を考案し,初心者でも確実に行える方法であるので報告する。
太めのネラトンカテーテル(No.15程度)を尿道内に挿人し,カテーテル先端をペアン鉗子で把持固定しておく(図)。2-0catgut(25mm)の針先から約2/3の部位を持針器で持ち,尿道後面の厚い結合組織を含めるように運針し,ネラトンの内腔まで刺入する。刺入する際は,外尿道口部でネラトンを軽く牽引しておいたほうが運針しやすい。針で尿道を傷つけないように注意し,ペアン鉗子をゆっくりと引いていくとネラトンに刺入したcatgutの針も一緒に抜けてくる。なお本法は,尿道断端6時以外の部位でも容易に行える。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.