画像診断
保存的に経過観察を行った膀胱外突出型膀胱平滑筋腫
時永 賢治
1
,
井上 啓史
1
,
山下 元幸
1
1高知医科大学泌尿器科
キーワード:
膀胱腫瘍
,
平滑筋腫
Keyword:
膀胱腫瘍
,
平滑筋腫
pp.618-620
発行日 1998年7月20日
Published Date 1998/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902384
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患者 61歳,男性。
主訴 顕微鏡的血尿。
家族歴 特記すべきことなし。
既往歴 糖尿病(インシュリン自己注射)。
現病歴 ぶどう膜炎続発性緑内障の加療にて当院眼科に入院中,顕微鏡的血尿を指摘されて受診した。経腹的超音波検査にて膀胱壁より外方に突出する低エコーの腫瘤を認め(図1),精査・加療目的にて当科へ転科となった。
入院時検査所見 末硝血液像,血液生化学,腫瘍マーカー,尿検査はすべて異常を認めなかった。尿細胞診もclass Iであった。
臨床経過 排泄性尿路造影では,膀胱の左側壁に陰影欠損および膀胱近接部における左尿管の上内方への圧排を認めた(図2)。腫瘤は単純CTで膀胱筋層と等吸収域であったが,内部は一部に低吸収域を含み不均一なことから,壊死性の変化を伴っていると考えられた(図3)。MRIでも腫瘍は境界鮮明,辺縁平滑であるが,〜に淡い高信号領域を有し懐死を伴うと思われた(図4)。平滑筋肉腫を最も疑い,経尿道的に生検を行った。
膀胱鏡では膀胱左側壁は軽度の突出があるだけで,表面は正常粘膜で覆われていた。そこで腫瘍中心部に向かってできるだけ深く切除し,組織を採取した。途中出血はほとんど認めず,切除面は白〜黄色であり,肉眼的に明らかな壊死像は認めなかった。
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