増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅵ 術後管理と合併症対策
4.術後合併症とその対策
腸管系合併症
橘 政昭
1
Masaaki Tachibana
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科
pp.271-277
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902303
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はじめに
膀胱全摘除術に伴う腸管系合併症は全摘除術と同時に施行される腸管利用による尿路変向術に関連して生じることが多い。近年,従来の導管型尿路変向術に加え尿禁制型あるいは自然排尿型尿路変向術を含む各種の腸管を利用した尿路変向術式が広く適応されるに至り,その術式も多様化しているといえる。これらの術式に伴う腸管系合併症の発生頻度は熟練した泌尿器科医においては決して高いものでないが,一度生じるときわめて重篤な合併症となることが通常であるとともに,腸管切除に伴う特徴的な合併症も存在する。
本稿では,膀胱全摘除術,尿路変向術に伴う腸管系合併症を総括し,その対処方法および予防方法について述べることとする。
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