画像診断
Retroaortic left renal veinに合併した右腎細胞癌
久保寺 智
1
,
斉藤 延治
1
,
小松 秀樹
1
,
上野 精
1
1山梨医科大学泌尿器科
キーワード:
腎細胞癌
,
腎動静脈奇形
Keyword:
腎細胞癌
,
腎動静脈奇形
pp.970-971
発行日 1997年11月20日
Published Date 1997/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902191
- 有料閲覧
- 文献概要
患者 49歳,男性。
現病歴 1996年7月15日,検診で超音波上右腎に腫瘍を指摘された。近医を受診してCT検査を施行され,右腎腫瘍と診断された。同年8月30日,精査,加療目的にて当科に入院した。
既往歴 44歳時から高血圧を指摘されており,降圧剤を内服している。
家族歴 特記すべきことなし。
入院後経過 画像所見より,臨床的には右腎の腫瘤は腎細胞癌と診断した。画像診断上,遠隔転移は認めなかったことから,同年9月9日に根治的右腎摘除術を施行した。しかし,術前のCT像から腹部大動脈の背側を左腎静脈が走行していることが明らかであったため(図1,2),右腎癌に対して通常当科で行っている下大静脈を挙上し大動静脈間リンパ節を郭清する傍大動脈リンパ節郭清術は施行しなかった。病理組織学的診断は,腎細胞癌であった(pT2,pVO)。術後経過は良好で,9月30日に退院した。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.