小さな工夫
後部尿道完全断裂例へのX線透視下手術の工夫
高岩 正至
1
,
鈴木 一裕
1
1米沢市立病院泌尿器科
pp.351
発行日 1996年4月20日
Published Date 1996/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901807
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後部尿道が完全断裂している時のX線透視下手術として,次の方法を考案した。あらかじめ患者はサドル麻酔後,X線透視台の上に仰臥位をとる。①バルーン部分が先端になるようにカテーテル先端を切断した14Fr.腎盂カテーテルを,CAPDカテーテル留置用スタイレットガイド下に膀胱瘻より挿入し,内尿道口を通過させ尿道の断裂部まで誘導する。②腎瘻造設用18G穿刺針(18cm)の外套の先端を,外尿道口より0.035インチラジフォーカスガイドワイヤー誘導下に断裂部尿道まで挿入する。③ガイドワイヤーを抜去し内套を装着する(図1)。④腎盂カテーテルのバルーンを,3分の1に希釈した造影剤3mlにて膨らませる(図2)。⑤X線透視像(仰臥位)にて穿刺針がバルーン方向に向いていることを確認した後,X線透視像(斜位)にても穿刺針がバルーン方向を向くように方向修正を行いながら穿刺針を押し進めて,針先がバルーン付近に到達したことをバルーンの形状の変化にて確認する(図3)。⑥さらに穿刺針を押し進めてバルーンを破裂させる(図4)。
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