Coffee Break
現在の日本人が過去に置き忘れてきたこと
山中 英寿
pp.250
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901776
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1996年1月末にインドのバンガロールで開催された第29回インド泌尿器科学会にguest speakerとして札幌医大の熊本悦明名誉教授とともに招待をうけ,インドに行く機会を得た。世界7不思議の一つといわれているタージ・マハール廟などの史跡を一目見たいということと,"多様性"の国といわれているインド社会の一端に触れてみたいという思いもあり,即座にお引き受けした。非常に短い潜在期間であったが,両方の目的を満足させるものであった。バンガロール以外にもタージ・マハール廟,アグラ城があるアグラ,さらにバンガロールの西南140キロ,デカン高原の南端に近くニールギリ山塊麓の盆地にある古都マイソールを訪れた。これらの町にあるいくつかの寺院を訪れ,案内して頂いたインドの方々の振る舞いを通してインドの人々の信仰心の深さの一端を垣間見ることが出来た。
しかし,今回のインド訪問での思いがけない収穫はMrs.Teruko Matsuoka(Thimmarayappa)さんとお会いしたことであった。ことの発端は,guest speakerとしての講演後の討論を充分にしたく,彼女にその通訳をお願いしたことにあった。彼女は聖路加国際病院,さらに米国で看護婦として働き,当時米国で医師をしておられたDr.Thimmarayappa氏と結婚し,ご主人の故郷バンガロールで小児科医の妻としてインド社会に溶け込んで生活しておられる方である。
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