Coffee Break
治療成績の解析
前田 修
pp.220
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901768
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転移病期の前立腺癌は,一般に内分泌療法が施行される。しかしながらその多くは再燃し,再燃すると有効な治療法がない。ということは欧米の論文に書かれている。しかしながら本邦では,多くの泌尿器科医はこの再燃癌に対してなんともならないと知りつつも治そうとし,一部の患者に抗ガン剤の投与を行っているのが現状である。再燃癌に対する化学療法の成績の中で良好なものは,5人に1人は部分寛解(PR)が得られ,5人に3人は現状維持(stable disease),残りの1人は進行するといったところと思われる。この治療成績は本邦において20%にPRが得られるのではなく,PR+stable diseaseが80%に得られるとされる。また化学療法を施行できる患者さんはperformance statusが比較的良好なため,施行していない患者さんとの生存率を比較すると当然よくなる。これは化学療法をしたため生存率が向上したとされる。70歳前後のおじいちゃんに,治療法は抗ガン剤の投与しかない,投与すればしない場合に較べ長生きできるというdataがあります。と説明すれば,まずよろしくお願いしますということになる。
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