増刊号特集 泌尿器科病棟マニュアル—ベッドサイドの検査と処置・私はこうしている
術前・術後1週間の患者管理
副腎摘出術
古川 利有
1
1弘前大学医学部泌尿器科学教室
pp.157-159
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901470
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われわれ泌尿器科医が取り扱う疾患の主なものは原発性アルドステロン症,クッシング症候群,褐色細胞腫,無症候性副腎皮質腺腫,副腎癌などである。これら疾患の術後管理は表1のごとく一般的手術と大差はないが,その難しさは種々のホルモン過剰状態から,術後急激にそのホルモンの欠乏状態になり,その結果様々な変化が急激におこることにある。そこでわれわれは,可能な限り正常に近い状態にした上で手術に臨んでいる。すなわち,原発性アルドステロン症ではスピロノラクトン,K剤の投与で血清K値および血圧の正常化を図り,褐色細胞腫ではα,βブロッカーの投与を行い血圧を正常化し,かつ循環血液量を増加させている。ここでは,原発性アルドステロン症,クッシング症候群,褐色細胞腫について,われわれが愛用している第11肋骨切除による経腰的後腹膜式副腎摘除を行った場合の術前術後の管理について,ベッドサイドの検査,処置など具体的に要点を述べる。
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