Japanese
English
症例
副腎Myelolipomaの摘出治験例
A Case of Myelolipoma of the Adrenal
木下 和夫
1
Kazuo KINOSHITA
1
1九州大学第一外科学教室
11st Department of Surgery, Kyushu University School of Medicine
pp.369-372
発行日 1960年4月20日
Published Date 1960/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202584
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副腎皮質下に脂肪および骨髄様組織を最初に認め組織学的に記載したのはGierke1)であり,彼は自験の1例と,Arnoldの教室より与えられた1例を報告している.このような副腎皮質下の脂肪および骨髄様組織にOberling2)はMyelolipomaという名称を与えた.その後1932年Collins3)は文献上15例を集め,それに自験の1例を加えて報告している.その後Gormsen4)2例,Giffen5)7例,Mc Donnell6)4例,Hickel7),Sternberg8),Priesel9),Kovács10),Oberling1),van Dam11),Soós12),Paul13),Schmidt14),Richardson15),Barten16),De Navas-quez17)の各1例およびKruse18)の猿に見出された1例の報告があり,人間では私の調査した所では現在まで42例の報告を見出すことが出来た.これら全症例は副腎腫瘍としての臨床症状を呈することなく,剖検により偶然に見出されたものである.われわれは最近圧迫症状のみを呈し,腎腫瘍の疑で手術を行つた処,副腎の巨大なMyelo—lipomaであつた症例を経験したのでここに報告する.
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