救急診療
ヒステリーかてんかんか—鑑別と処置
冨永 一
1
1国立東京第一病院・精神科
pp.518-519
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204062
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47歳 未婚婦人例のあらまし
来院 下町の救急病院に入院中で,「11月24日夕,その日1日食事せずにいて,セデス約20錠をのみ,意識がなくなり,救急車で入院.その頃月経中で,その夜から嘔気と嘔吐がやまず,26日からは嘔気のみとなったが,しばしば躁状態となり,それは夜間消灯後にとくにひどくなる.もともと難聴があり,右耳の鼓膜はない.しかしこうなったのは,この難聴のためばかりとは思われず,以前にも自殺を企ててさわがせたことがあり,ことに月経の頃に躁あるいはうつの状態になると家族はいう.精神科でみてもらいたい」という紹介状をもって,末の妹とともに,12月2日来院した.
大声で話しかけるときこえるので,本人と付き添いの妹とから,家族歴と既往歴をききながらみたが,外来では普通に応待し,おちついていた.
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