昨日の患者
透析患者の血尿
池田 龍介
pp.124
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901453
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最近,透析歴3年の男性が慢性前立腺炎,慢性膀胱炎として紹介入院となった。1日尿量は100ml以下であるが廃用性萎縮膀胱により1回排尿量10ml前後で頻尿の状態であった。さらに,必ず排尿ごとに尿道痛を訴え1日1〜2回ボルタレン坐薬(50mg)を必要としていた。当科入院後,外来にて仙骨麻酔下に膀胱鏡検査および膀胱粘膜生検を施行し,出血のないことを十分に確認し検査を終了した。
検査施行の翌日より血尿と排尿痛,頻尿が高度となり膀胱タンポナーデを疑いベッドサイドにてロブネルカテーテルによる膀胱洗浄を施行するも数回の洗浄にて血尿は消失し洗浄も抵抗なく可能であった。その後,透析時に尿意切迫,排尿痛あり膀胱洗浄を行うもスムーズに洗浄可能で少量の血塊がみられるのみであった。
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