増刊号特集 泌尿器科病棟マニュアル—ベッドサイドの検査と処置・私はこうしている
ベッドサイドトラブル対処法—こんなサインを見逃すな
チューブ自然抜去時の対処法
戸塚 一彦
1
1自治医大大宮医療センター
pp.145-147
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901465
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1 ドレーン
ドレーンが皮膚に針糸で確実に固定されていれば,自然に抜けることはほとんどない。しかし,ドレーンを段階的に引き抜くために固定糸を抜き取ると,自然抜去が起こりやすくなる。この場合,術後早期を除けば,比較的しっかりした瘻孔が形成されており,通常,ドレーンの再挿入は容易である。
瘻孔部の消毒後,キシロカインゼリーを付けた外科用ゾンデを瘻孔に挿入する。瘻孔は多少なりとも屈曲しているので,ゾンデが抵抗なく進む角度を探しながら挿入する必要がある。ゾンデが適切な部位まで挿入されると,ゾンデ周囲から排液を認めることが多い。瘻孔の深さは,1本目と同じ長さの2本目のゾンデを利用すれば容易に知ることができる。2本目のゾンデに瘻孔の深さより1cmほど長いチューブを通しておき,1本目のゾンデを抜いてから2本目のゾンデを再度挿入する(図1)。続いて,このゾンデをガイドにしてチューブを瘻孔内に送り込む。
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