小さな工夫
腎瘻カテーテルの自然抜去時に対するPNL用金属製ガイドロッドの使用
加藤 祐司
1
,
藤井 敬三
2
1旭川医科大学泌尿器科
2北見赤十字病院泌尿器科
pp.173
発行日 2004年2月20日
Published Date 2004/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100466
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経皮的腎瘻カテーテルの自然抜去時の対応方法には,山本・飯沼1)が紹介しているスタイレットを用いる方法やプラスチックダイレーターを用いる方法2)などがある。筆者らはPNL用の金属製ガイドロッドを利用しているので紹介する。
このPNL用ガイドロッドはもともと長さ約60cmであるが,使い勝手を良くするために25cmに切断したものを使用する(図1)。太さは4.5Frでゾンデとほぼ同じ太さであるが,内腔に0.038インチのガイドワイヤーを通すことが可能である。ロッドの先端は球形を呈しており(図2),腎瘻ルートに挿入しても組織損傷はゾンデやプラスチックダイレーターと比較して少ない。使用方法は清潔操作下に腎瘻抜去部からロッドを挿入し,慎重に腎瘻ルートを探る。腎杯,腎盂内に挿入できた場合には尿の流出が確認される。また呼吸性にロッドが動くことでも確認できる。その後ガイドワイヤーを挿入しロッドを抜去後,カテーテルを再留置する。X線透視は使用せずに,通常ベッドサイドで施行している。山本・飯沼の方法のようにゾンデやスタイレットを使用する場合には,腎瘻ルートに挿入し腎盂までの距離,方向を確認した後,一度抜去しなければならず,その後のカテーテル挿入の際に腎瘻ルートを見失う可能性がある。本法ではロッドを抜去せずにガイドワイヤーを使用できるので,探り当てた腎瘻ルートを見失うことはない。これまでの経験ではカテーテル抜去後短時間であればほとんどの症例で再挿入は可能であったが,腎瘻ルートがわからない場合には,無理をせず後日腎瘻再造設術を行うことにしている。
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