Coffee break
どんどん細くなる内視鏡細径から超細径へ
坂本 亘
pp.105
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901447
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従来の軟性内視鏡の技術では,画像用のファイバーのみで2mm前後の直径があり,内視鏡として構成すると,どうしても直径5mm以上の太さにならざるをえなかった。しかし,近年開発され実用化が進んでいる石英系ガラス画像用ファイバーは,大幅な細径化を実現可能とし,超細径内視鏡への道が大きく開かれた。すでに血管内視鏡として冠状動脈の観察が実用化されている。超細径内視鏡システムは内視鏡,撮影装置,照明光源から構成される。泌尿器科用として市販されているのは,汎用超細径内視鏡(0.75mm,タカイ医科201—T075W)と内視鏡装置(タカイ医科MHL−160/TC−5000A)がある。通常,逆行性に膀胱鏡下にあらかじめ挿入された尿管カテーテルを通しての尿路内の観察や,エコーガイド下に18Gの穿刺針の外筒を通して嚢胞内の観察が可能である。しかし,いかんともしがたいのは,画像が網目状で色調に乏しく鮮明さに欠ける点である。良質な画像に慣れた泌尿器科医にとって,超細径内視鏡の画像は明らかに見劣りがする。この画像の悪さが,泌尿器科領域への超細径内視鏡の普及を妨げている。
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