増刊号特集 小児泌尿器科診療
小児泌尿器科の最前線
泌尿器科系出生前診断と治療の進歩
吉沢 浩志
1
1新潟大学医学部産科婦人科
pp.7-14
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901148
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はじめに
周産期医療では胎児・新生児の一貫した管理を徹底し,母児双方にとってできるかぎりよい分娩を計画することと新生児集中治療室(NICU:Neonatal Intensive Care Unit)での懸命な努力によって超未熟児(出生体重1,000g未満)であっても,その多くを後遺症なく救命(無欠陥成育intact survival)できるようになった。1991年に北九州市で出生した妊娠21週,398gの女児(最少妊娠週数例),1992年には福岡市で妊娠26週,368g女児(最小出生体重例)の生存例(ともに新間報道から)が誕生した。
このような進歩を理由に早産の定義が妊娠22週(従来は24週)から36週までと改定(日本産科婦人科学会会告1993年7月)されるに至った。世界最小出生体重生存例はシカゴの妊娠26週日,280gの女児1)であるが,成育限界(胎外で正常に成長することのできる限界)が倫理的な問題も含めて論議されている。
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