増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
感染症
間質性膀胱炎
原 徹
1
1亀田総合病院腎センター
pp.142-143
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900879
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間質性膀胱炎の治療の現況
間質性膀胱炎(interstitial cystitis以下IC)の診断,治療にはまずこの疾患の定義を再度確認する必要がある。1987年に行われたworkshop on Interstitial cystitisの結論では表1の診断項目があげられている。これより診断は容易であるような印象を受けるが実際には同様の尿路不定愁訴を呈する疾患は少なくなく,除外診断を一通り終えてから後ICの確定診断が行われる。現況ではICの治療方法としては確立したものはなく,種々の保存的治療が行われている。また保存的治療方法では再発率も高く,一方,自然治癒する症例もあり有効度の比較は困難である。ICの原因としては細菌感染説,自己免疫疾患説,アレルギー説,血流障害説など言われているが本態は不明である。このためICの進行が保存療法では止められず高度の萎縮膀胱に陥り,尿路変更を余儀なくされる症例もある。さらには尿路変更として腸管を利用しても下腹部痛などの症状がとれず再手術を行った例も報告されており,問題をより複雑にさせているのが現状である。
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