増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
感染症
トリコモナス
河村 信夫
1
1東海大学医学部泌尿器科
pp.140-141
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900878
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はじめに
トリコモナス属で人体に感染するものは3種ある。Trichomonas vaginalis,(膣トリコモナス,以下TVと略記),Trichomonas tenax(口膣トリコモナス),Trichomonas hominis(腸トリコモナス)の3種で,尿性器に感染するものはTVしかない。したがってトリコモナスという表題であるが,以下TVのみについて記して行く。
TVは再発のあり得る感染症であり,性(行為)感染症(Sexually transmitted diseases,STD)であるので,再感染もあり得る。免疫は臨床的には生じない。
泌尿器科的TV感染は,経口剤が主体になる。婦人科的感染症には,局所洗浄,膣坐剤,膣錠,経口剤などの投与が行えるが,今回はこれらについて述べず,必要あれば産婦人科のテキストを参照されたい。
経口剤はメトロニタゾール(MNZ),チニダゾール(TNZ)の2種が本邦で手に入り,外国ではさらにニトロフラン系の薬剤も用いられる。
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