交見室
膀胱粘膜を用いた尿道形成術について,他
山口 孝則
1
1宮崎医科大学
pp.269-270
発行日 1993年3月20日
Published Date 1993/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900823
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1992年11月号の新しい手術「膀胱粘膜を用いた尿道形成術」について,2,3の雑感を述べてみたいと思う。
尿道下裂の手術は近年,新しい発想に基づいた一期的手術法(Hodgson法,Asopa-Duckett法,小柳法)や縫合糸の改善により,手術成績はめざましく進歩している。本症の手術はその手術手技の繁雑さや,合併症の頻度の高いことから,その手術を非常にうまい専門家の下のみでやった方がいいという考え方と,泌尿器科では割に頻度の高い疾患であるがゆえ,一応は平均的な術式はできなくてはならないという考え方がある。われわれの施設では教育機関の性格上積極的に手術に取り組んでおり,従来までは生駒法を主体にした二期的手術法を行い,現在はDuckettによるtransverse island flap法を標準として一期的に手術を行っている。
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