増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
D.開腹的手術
10.尿道の手術
尿道外傷に対する尿道形成術
南里 正晴
1
,
武井 実根雄
1
Masaharu Nanri
1
1原三信病院泌尿器科
pp.196-200
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903213
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1 はじめに
尿道外傷における尿道形成術は,手術の方法(内視鏡手術か開放手術か),手術の時期(受傷早期か待機手術か)について,現在もまだ一定の見解は得られていない。内視鏡手術技術の進歩に伴い,ほとんどの尿道外傷(およびその後の尿道狭窄)が内視鏡的に治療されるようになり,開放手術が適応となる機会は減っている。しかし,内視鏡手術が不成功に終わった場合や受傷後の尿道狭窄が広範囲に及んだ場合など,複雑な狭窄などに対しては開放手術が選択されることがある。いずれにせよ,形成手術ゆえにいかに術後合併症を少なくするかが手術の成功を意味する。
開放手術による尿道形成手術は(尿道狭窄に対する尿道形成手術とも関連し)多種多様である。外傷の場所,程度,受傷からの期間などにより適切な術式を選び手術を行うことが合併症を少なくするためには重要と思われる。当然,各術式によって合併症の種類や頻度,予防方法は異なるが,誌面の都合上,その1つ1つについて言及することはできないため,われわれが考えている代表的な術式について,あるいは尿道形成術の原則的なことについての合併症およびその対策について述べる。
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