交見室
膀胱腫瘍の深達度に関する検討,他
津川 龍三
1
1金沢医科大学泌尿器科
pp.1090-1091
発行日 1982年11月20日
Published Date 1982/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203467
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臨泌36巻9号岡田先生らの「膀胱腫瘍の深達度に関する検討」は膀胱腫瘍の全摘例76例について内視鏡検査,尿路撮影,麻酔下双手診,試切を含め検討された論文である。これらは最も簡単で必ず実施されるはずの検査法であり,その意味で,きわめて実用的な成績といえる。
対象が全摘例であるため,特に深い深達度を示す症例が多く,これが上記の方法でどこまで正診できるかに興味が持たれるところであるが,臨床診断,病理診断の一致度は45%,overstage 21%,understage 32%であつた。診断法としては,IVPの意義として特に尿管口付近に腫瘍の発生したものに有意としていることは同感であり,またunderstageとした例の検討の結果,high gradeであると understageとされやすいという傾向であり,従来からいわれているように,high gradeはhigh stageに通ずることを強調しており,まつたく同感である。
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