交見室
膀胱上皮内癌について,他
横川 正之
1
1東京医歯大泌尿器科
pp.650-651
発行日 1977年7月20日
Published Date 1977/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202400
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膀胱の上皮内癌に関する瀬戸教授の綜説(本誌31巻3号)と4号交見室の田崎教授のご意見を興味深く拝見した。その昔の病理の教授の中には,CPCで臨床医をいたぶるのを最大の楽しみにする人がいて恐ろしい存在だつたが,瀬戸教授のように臨床に直結する難問に臨床医と共に悩み,取り組もうという方の存在はまことに心強い限りである。
さて膀胱癌とひと口に言つてもいろいろの顔付きがあるから,われわれ臨床医は先人の経験をもとにして,この例は(どちらかといえば)紳士の顔付き,これはギャングの顔付きと一応見分け,それによつて治療法を選択している。実際には一見紳士風,一見ギャング風にしばしばだまされるが,基本的には表在癌か浸潤癌かという概念的な区別に一応満足してこれまでやつてきた。
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