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特集 ニューメディアと医療画像
青森県立中央病院脳神経外科におけるTele-medicineの現況
The Present Condition of the Tele-medicine System in Aomori Prefectural Central Hospital
田中 輝彦
1
Teruhiko Tanaka
1
1青森県立中央病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Aomori Prefectural Central Hospital
pp.21-27
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900983
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はじめに
脳神経外科的疾患には緊急度の高いものが多く,CTなどの情報を早く知ることが救命に直結する.このためには遠隔地からの画像情報を正確迅速に伝達するシステムが必要である.脳内疾患に対する頭部CTの診断価値は非常に大きく,多数の一般病院にもCTが備えられている.しかし,画像を得てもその判断,すなわち評価,治療方針の決定,更には転送を急ぐか否かなどは困難な場合もある.軽度のクモ膜下出血,軽症頭部外傷例の予後判定などは,臨床経験に裏づけられた専門的知識(所謂ヨミ)がどうしても必要である.大事な情報を見過して医事紛争の原因になったり過大評価による患者の無駄な移送を避けるためには専門医の診断や助言が必要である.専門医側でもCT画像を直接見られること,頭部単純写真などの所見も知りえ,かつ,主治医と直接討論することが大変有用である.
この点から,CT画像などを電話回線で送るシステム(Tele-medicine)の登場は誠に時宜を得たものである1).当院でも1989年(平成元年)からこのシステムを導入し,その成績をこれまでも発表して来たところである2,3,5,6).今回はこれまでの症例をまとめ,現状および問題点について述べる.
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