増刊号特集 外来泌尿器科マニュアル—私はこうしている
主訴からみた診断指針
疼痛
上田 豊史
1
1九州大学医学部泌尿器科
pp.17-19
発行日 1991年5月30日
Published Date 1991/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900327
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疼痛という症状は,一般臨床における外来診療上,重要な主訴のひとつである.
泌尿器科においては,他の泌尿器科的随伴症状がなく,疼痛のみを主訴として,外来へ初診する患者は,それほど多くはないが,他科より,多くの疼痛の原因精査を依頼されることは,日常の診療においてしばしば経験する.疼痛を主訴として,受診してきた患者を目の前にして,泌尿器科疾患の存在の可能性を的確に判断することは,外来診療上,非常に重要である.
泌尿性器由来の疼痛は,一般的に,たとえ原疾患が異なっていても,ある程度臓器に特有で共通した点が存在する(表1).したがって,その疼痛の部位や性状を詳細に問診し,診察することによって,他の内臓疾患との判別だけでなく,泌尿器系臓器の障害部位,疾患をある程度推察することが可能である.そこで,我々泌尿器科医が,日常外来において,患者が訴える疼痛を部位別に分類し,疼痛に対する問診の中から,どのような疾患を鑑別すべきかについて記載する.
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