特集 前立腺肥大症の診療トランスフォーメーション―低侵襲的外科治療の台頭
企画にあたって
前立腺肥大症の診療トランスフォーメーション―低侵襲的外科治療の台頭
舛森 直哉
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1札幌医科大学医学部 泌尿器科学講座
pp.516-517
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413208167
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男性下部尿路症状の有病率は高く,その頻度は中高年以降加齢とともに増加します.前立腺肥大症による膀胱出口部閉塞が原因として最も多いのは事実ですが,膀胱出口部閉塞に続発する,あるいは,併存疾患に起因する排尿筋過活動や排尿筋低活動との膀胱機能障害,さらには種々の要因による尿量増加が男性下部尿路症状を大きく修飾します.このため,個々人の背景によって,蓄尿症状,排尿症状および排尿後症状がさまざまに入り混じった多種多様な症状を呈します.いずれにしても,このような下部尿路症状がQOLを損なうことは明らかです.
前立腺肥大症の治療方針を決めるうえで,さまざまな検査が行われます.尿流測定,残尿測定,前立腺超音波検査は基本評価ですが,排尿記録やプレッシャーフロースタディなどは症例ごとに施行が考慮されているのが現状かと思います.どのような症例に選択評価を行うべきなのかはまとめておく必要があります.
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