特集 朝まで待てない! 夜間頻尿完全マスター
企画にあたって
小島 祥敬
1
1福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.5
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207090
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毎週月曜日に新患外来を担当していますが,2~3人の医学生が私の外来について実習をしています.患者さんが診察室に入る前に,問診票や紹介状を見ながら学生にいろいろな質問をし,病態理解を深めてもらうようにしています.大学病院の新患外来ですので,多くは手術目的で紹介された患者さんですし,ロボット支援手術の印象もあってか多くの学生は,泌尿器科が外科系の診療科だというイメージをもって実習しています.しかし,私の新患外来のなかで学生の「泌尿器科=外科系」という先入観を,よい意味で覆す疾患があります.「夜間頻尿」です.今や夜間頻尿は,かつて考えられていたような前立腺肥大症の1症状ではありません.泌尿器科的な膀胱機能障害も主要な原因の1つであることは間違いないのですが,多尿や夜間多尿,睡眠障害が複雑に関わる「内科的疾患」です.最近では,本特集に概説していただいたように,睡眠時無呼吸症候群,サーカディアンリズム,高血圧や心不全や虚血性心疾患,腎機能障害など,内科的疾患の理解なくして,夜間頻尿は語れません.外来実習のなかで,外科的要素だけではなく内科的要素を持ち合わせた泌尿器科の醍醐味を学生に教えるには,夜間頻尿は最もよい「教材」の1つです.
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