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編集後記
大家 基嗣
pp.348
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206922
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名画との出会いを求めて,海外の学会では時間を見つけて美術館を訪れる方も多いと思います.「本物」を初めて見たときの感動は想像以上のことが多いのではないでしょうか.名画の前で釘付けになり,距離を置いて眺め,近づいて描写の細部まで観察するなど,実物を前にしないとできないことがあります.私は,フェルメールの作品に海外で出会ったとき,やっと見ることができたという安堵が混じって,感動が幾重にも強調されたことが思い出されます.
森村泰昌先生の作品をご存じでしょうか.先生が扮するフェルメールの絵画を初めて見たとき,「本物」と出会ったときとは全く違う心のざわつきが起こりました.それ以来,私は先生のファンです.森村先生は東西の名画の舞台を再現し,その中の人物として入り込むセルフポートレート作品を作り続けている美術家です.
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