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泌尿器腫瘍には,腎癌,尿路上皮癌,前立腺癌,精巣腫瘍など,多岐にわたる腫瘍が含まれています.さらに,これらの腫瘍に対する薬物療法には,殺細胞性化学療法,ホルモン療法,分子標的薬,免疫チェックポイント阻害薬など,さまざまな種類が含まれます.このため,泌尿器科医および泌尿器腫瘍内科医は,薬物療法マネジメントの基礎についてしっかりと学ぶ必要があると考えます.
本特集の内容は,これから薬物療法を学び始める若手の泌尿器科医,泌尿器腫瘍に興味をもつ若手の腫瘍内科医をメインの読者対象とした構成になっております.最初に,化学療法を学びたい若手泌尿器科医と,泌尿器腫瘍を学びたい若手腫瘍内科医が研修を積んでいくにあたり,現在どのような問題点があり,今後どのような未来が期待されるのかについて,若手医師の本音を聞き出すための座談会を企画しました.次に,薬物療法の基本である殺細胞性化学療法について,その実施にあたり必須となる知識の解説に多くの誌面を割かせていただきました.すなわち,制吐薬の使用方法,発熱性好中球減少症(FN)のマネジメント,G-CSFの使い方,術前・術後化学療法の考え方,relative dose intensityを保つことの重要性についてなどです.これらの知識は腫瘍内科医のトレーニングの際に,最初に学び身につけるべきものであり,ぜひこれから薬物療法を学び始める泌尿器科の先生方にも共有してもらいたいと思っています.さらに分子標的薬では,効果と副作用のバランスをとるための用量調整についての考え方を,免疫チェックポイント阻害薬では,免疫関連有害事象という特徴的な副作用のマネジメントについて,泌尿器腫瘍における事例を中心に読者が学べ,実臨床に役に立つような内容になるよう努めました.
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