特集 もっと身近に! Female Urologyを学ぶ
企画にあたって
嘉村 康邦
1
1四谷メディカルキューブ泌尿器科
pp.83
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206475
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人間の半分は女性です.そして女性のほうが長生きします.加齢に伴い,女性下部尿路症状(FLUTS)が増加することもわかっています.さらにまた,情報化時代となり,多くの女性が黙って耐え忍ぶのを止め,泌尿器科を受診するようになりました.にもかかわらず,「男性は診るが女性はちょっと…」と,敬遠されていませんか? 言うまでもなく,Female Urologyは泌尿器科の大きなサブスペシャリティであり,コアエリアです.実地臨床では避けて通れません.そこで,Female Urologyをもっと身近に感じてもらおうと本特集は企画されました.
総論では,日本のFemale Urologyの歴史と現状,FLUTSの病態,さらに診療ガイドラインの活用方法を解説していただきました.診断としては,Female Urologyの現場で慣れておきたい超音波検査と,診断に苦慮するFLUTSに対するウロダイナミクス検査を取り上げています.治療は,Female Urology領域で主たるものを網羅しました.薬物療法の項では,一般薬物療法と,漢方薬とに分けて解説いただきました.手術療法に移り,腹圧性尿失禁ではゴールド・スタンダードといわれる中部尿道スリング手術と,最も新しくチャレンジングな括約筋再生治療を,骨盤臓器脱では最近その適応について議論が盛んな3つの術式,Native tissue repair(NTR)手術,経腟メッシュ(TVM)手術,腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)についてそれぞれ詳述いただきました.そして最後に,多くの泌尿器科医が取り組みにくいと感じる女性性機能障害への対応のコツを解説いただいています.
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