書評
「前立腺肥大症日常診療マニュアル 改訂第3版」—Rojer S Kirby and Peter J Gilling 原著/勝岡洋治 訳
本間 之夫
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1東京大学医学部泌尿器科学教室
pp.686
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205414
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前立腺肥大症は中高齢の男性に多発する疾患である。泌尿器科医にとっては最もなじみ深い疾患であり,一般社会からも最も泌尿器科的な疾患と考えられているだろう。それ故に,前立腺肥大症については診療レベルを常にUpdateしておく必要がある。この度出版された「前立腺肥大症日常診療マニュアル」は,その目的に最適な本である。
本誌は,この分野の世界的大家であるKirby博士とGilling博士による,その名もズバリBenign Prostatic Hyperplasiaという本の翻訳である。初版は2001年であり,この度の出版は,原著は第7版,日本語誌としては改訂第3版となる。原作の特徴は,いわゆるアメリカ的というか,とにかく内容や書き方が実践的であることであろう。それを訳したこのマニュアルにもその特徴が生きていることは当然であるが,単なる翻訳本ではないことにも注目すべきであろう。訳者の勝岡洋治博士による日本語がこなれているというだけでなく,わが国の諸学会が出している各種のガイドラインや用語集を尊重して,日本人により使いやすくなるような工夫が随所になされている。
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