今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
その他
前立腺肥大と前立腺癌
仁藤 博
1
1武蔵野赤十字病院・泌尿器科
pp.886-889
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222485
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前立腺は男子の膀胱の出口(膀胱頸部)から後部尿道にかけて尿道を輪状に取り巻くように位置し,大きさはおよそ横径3.5cm,縦径2.5cm(重さ約15g),栗の実形の分泌臓器である.腫大すると尿道を外から圧迫し,排尿困難をもたらす.前立腺は加齢と共に増殖性変化を来すが,45歳をすぎると急速に腫大し,臨床的には60歳以上になって肥大症としての症状を呈することが多い.
わが国も高齢者が人口の10%以上を占める時代となり,前立腺肥大や前立腺癌の患者が近年増加している.これらの十分な理解とケアは,泌尿器科医のみならず老人医療に携わるすべての医療従事者にとっても重要となっている.
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