今月の主題 高齢者医療の新しい視点
高齢者によく見られる疾患の診断・治療上の問題点
前立腺肥大症と前立腺癌
塚本 泰司
1
,
舛森 直哉
1
,
熊本 悦明
1
1札幌医科大学医学部泌尿器科
pp.1334-1336
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903745
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ポイント
●前立腺肥大症では,排尿に関する自覚症状が患者の満足度(あるいは不満度),QOLにどの程度影響を与えているのかを評価することが重要である.I-PSSはこの評価に有用である.また,表に出ている排尿に関する症状にとらわれずその病態に注意を払う.特に刺激症状(頻尿,切迫性尿失禁など)を訴える場合に注意が必要である.
●前立腺肥大症と癌との鑑別は,排尿症状を訴えて受診した人すべてに確実に行う必要がある.血清PSA測定も偽陽性,偽陰性の問題を抱えてはいるが,現時点では有用な方法の一っであることは明らかである.
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