文献抄録
進行性尿路移行上皮癌に対するM-VAC療法の経験
pp.895
発行日 1989年10月20日
Published Date 1989/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205084
- 有料閲覧
- 文献概要
Sternbergら(1985,1988)は,進行性尿路移行上皮癌に対して,methotrexate, vinblastin, doxoru-bicinとcisplatinの併用化学療法(M-VAC療法)を施行して高い寛解率を報告している。著者らも1984年以降,41名の患者にM-VAC療法を行って,その経験を報告している。
患者は膀胱癌31名,腎孟癌9名,尿管癌1名の41名で,28名が遠隔転移を有し,5名が骨盤腔と下腹部に転移,局所の大型転移5名,手術創部の顕微鏡転移3名である。患者はすべて治療前に泌尿器科的検査を行い,白血球数は2000/mm2以上,血小板数150000/mm2以上,クレアチニン150/μM/1以下,クレアチニンクリアランス50ml/分以上の患老を選んだ。化学療法剤はSternbergらの方法にしたがって投与した。即ち第1日にmethotrexate 30mg/m2を点滴し,水分を十分補給し,第2日は3mg/m2のvinblastin,30mg/m2のdoxorubicin,そして70mg/m2のcisplatinを点滴する。この間1昼夜以上水分を点滴補給し,腎機能障害者,単腎者には250mg,20%のmanitolを点滴する。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.