今月の表紙
移行上皮癌
星 利良
1
,
都竹 正文
1
,
坂本 穆彦
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2東京大学医学部病理学教室
pp.537
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901602
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泌尿器系悪性腫瘍のうち,尿細胞診検査において対象となる悪性腫瘍の大部分は,膀胱や上部尿路系(腎盂・尿管)由来の移行上皮癌である.
移行上皮癌(transitional cell carcinoma)には,発育形態より乳頭状のものと非乳頭状のものに分けられる.このうち非乳頭状(non-papillary)腫瘍で上皮下への浸潤を示さない初期の段階の癌,すなわち非浸潤(non-invasive)癌を移行上皮における上皮内癌と呼んでいる.組織標本上では,移行上皮層が正常細胞層に比べ著しく肥厚し,不均衡な大型核円形腫瘍細胞に全層が置き換えられている像として認められる.
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