文献抄録
進行性尿路移行上皮癌のM-VAC治療
pp.363
発行日 1985年5月20日
Published Date 1985/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204035
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ニューヨークメモリアル病院系列のphase II studyで,進行性尿路移行上皮癌に対してcisplatin(C),methotrexate(M),doxorubicin(D),vinblastin sulfate(V)をそれぞれ単独に投与した治療成績は,完全寛解,部分寛解あわせて,Cでは30%,Mでは29%,Dでは17%,Vでは18%であつた。現在までにこれら四考の抗癌剤を併用した治療成績はないので,著者らは所謂M-VAC療法として四者併用の治療を施行してその成績を報告した。
症例は厳選された進行性尿路移行上皮癌患者25例で,腎盂癌2例,尿管癌3例,膀胱癌20例で,いずれも他覚的に計測可能な転移巣をもつており,平均のKarnofsky performan-ce status 80%の症例である。症例の過去の治療歴では,15例が原発巣と骨盤腔内の転移巣に放射線照射をうけており,3例は単独にC,M,PALAなどの抗癌剤投与をうけていた.M-VAC法の薬剤投与法は,第1日に30mg/m2のMを投与し,その12時間後に2lの糖液を補給し,24時間後に3mg/m2のV,30 mg/m2のD,70mg/m2のCを投与する。
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