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講座 手術・生検材料の取扱い法
Ⅰ.手術・生検材料取扱いの基本
General Rule for Pathological Studies on Surgical and Biopsy Materials of Urological Diseases:I.Basic Procedure
藍沢 茂雄
1
,
菊地 泰
1
Shigeo Aizawa
1
,
Yasushi Kikuchi
1
1東京慈恵会医科大学病理学教室
1Department of Pathology,The Jikei Univcrsity School of Medicine
pp.25-29
発行日 1988年1月20日
Published Date 1988/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204648
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泌尿器科領域の生検手術材料は主として腎,膀胱,前立腺,睾丸および副腎より得られる。これらの腫瘍の病理学的取扱いは副腎を除けば基本的事項が簡単ではあるが泌尿器科・病理の取扱い規約1〜4)に記載されている。 しかし,泌尿器科医より病理検査室におくられてくる検索材料は,現実には病理医にとって必ずしも満足すべき状態のものとは限らない。病理医がめざす検索の目的は泌尿器科医のそれとも合致するわけだが,単なる組織学的診断ばかりではなく,病変の拡がりや合併病変の有無,手術の適応や予後を占う事項,今後の治療法選択の示唆などがある。腫瘍であれば,さらに良悪性の判定・組織型の決定・悪性度・病期・pTNMなどの情報を得ることにある。実際,病理より臨床への報告書には第1表のごときものが含まれる。このような検索目的を満たすためには提出される材料についてのできる限り詳しい臨床情報(第2表)が要望され,採取されたすべての材料の提出が必要である。この二項が満たされないと検査目的を完遂できない恐れがある。
本稿では,後半に特殊な病理学的検査について触れ,そのための材料の取扱いについても簡単に述べる。
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