特集 消化器癌切除材料取扱いマニュアル
消化器癌切除材料取扱いの基本
岩渕 三哉
1
,
渡辺 英伸
1
1新潟大学医学部第1病理学教室
pp.15-21
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905099
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はじめに
消化器癌の切除材料には,内視鏡的生検材料および切除材料と外科的切除材料とがある.前者は癌の質的診断と広がりの検査を主目的とし,後者はこれらの2目的に加えて,癌の深達度,脈管侵襲の有無とその程度,切除断端での癌の有無,切除材料内での病変の広がり,副病変の有無とその種類や個数などをも検査する必要がある.それぞれの臓器での臨床側からみた取扱いの要点は各論で述べられると思う.本稿では,上記の項目を検索する肉眼病理の立場からみた外科的切除材料,主に管腔臓器の取扱いの基本的事項について述べてみたい.
消化器癌切除材料の取扱いには,切除材料の処置および肉眼観察とその切除材料の資料作成とがある(表1)1,2).
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