特集 消化器癌切除材料取扱いマニュアル
胃癌切除材料の取扱い(1)
中田 英二
1
,
岡島 邦雄
1
,
山田 眞一
1
,
磯崎 博司
1
,
西村 淳幸
1
,
一ノ名 正
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
pp.33-37
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905102
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はじめに
切除標本は,外科医にとって貴重な財産であり,臨床病理学的研究の原点となるものである.その病理学的裏づけがなければ,われわれ臨床医が苦心して発見・治療しても,その医学的価値は皆無になってしまうといっても過言ではない.
切除標本が病理学的検査に十分に耐え得るものであり,かつ臨床所見と組織所見が十分に対比し得るものであることが肝要である.われわれの施設では,常に臨床と組織とを対比させることに心がけ,切除標本の取扱いを行っており,新鮮切除標本の肉眼所見の記載から写真撮影,固定までを外科医が,切り出しは外科医と病理医が共同して行うシステムをとっている.
本稿においては,教室における胃癌切除標本の取扱いにっいて,術中から切り出しまでの操作を「新鮮切除標本の取扱い方」「切除標本の切り出し」の2つに分けて述べる.
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