Japanese
English
綜説
癌温熱療法
Hyperthermia in Cancer Therapy
松田 忠義
1
Tadayoshi Matsuda
1
1東京都立駒込病院放射線科
1Department of Radiology, Tokyo Metropolitan Komagome Hospital
pp.689-698
発行日 1986年9月20日
Published Date 1986/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204334
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はじめに
癌細胞が高温度に弱いことを明らかにし,癌患者の治療に応用した歴史は古い。しかし,有効な加温方法が見出されないまま長い間中断されていた。1960年代後半から系統的な研究が進められ,とくに10年ほど前から温熱療法の生物学および理工学の基礎研究がアメリカを中心に活発に行われ,癌治療における温熱療法の有用性の理論的根拠を明らかにしている。一方,わが国の温熱療法の研究は欧米よりも一歩遅れて始まつたが,ここ4〜5年基礎と臨床の研究が活発であり,国際的水準を凌ぐ成果をあげている1)。本稿では癌の新しい治療法として注目を集めている温熱療法の臨床応用とその背景となる理論的根拠について述べる。
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