Urological Letter
前立腺炎の能率的治療法/股リンパ節郭清後のリンパ瘤形成とそのリンパ流出の治療法
pp.647,651
発行日 1986年8月20日
Published Date 1986/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204323
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患者がもしもまだ抗生物質を投与されていなければ,患者の尿は培養試験には最も適切であり,マッサージ後に採つた前立腺液の検査成績も最も信頼できる。前立腺液中に膿があり,症状も前立腺炎らしい時には培養の結果の報告を待つてから治療を始めればよい。化学療法としてはいろいろな薬物投与の方法があるが,筆者はテトラサイクリン500mgを少なくとも1日3回投与している。本法はほとんどの細菌に対して有効である。もしも培養成績が陰性で自覚症状も前より良くなつた時には起炎物としてクラミディアを考えればよい。もしも培養が陽性ならば感受性試験をする。そうすれば何を投与すればよいかがわかる。もしも培養が陰性で,患者の症状がなお強ければ,プレドニソンを用いる。初日には40mgを,そして1日毎に5mg宛減量して7日ないし10日間投与すればよい。
もしも,これで軽快すれば,非細菌性炎症と仮定すればよい。この際はドレナージを良くするために前立腺のマッサージと1日10mgのプレドニソンを2〜3週間ないし,それ以上投与する。あるいはより安全な非ステロイド性消炎剤,たとえばibuprofenなどを投与する。この方法で駄目ならばさらにX線検査をする。ことに前立腺結石の有無を調べる必要がある。そのほか泌尿器科医として,彼らのためになることをしてあげればよい。
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