今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ
広汎性子宮全摘出術
15.リンパ節郭清
塚本 直樹
1
Naoki Tsukamoto
1
1九州大学医学部婦人科産科
pp.180-182
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901183
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広汎子宮全摘出術(広汎全摘)は,通常頸癌Ib-IIb期と体癌II期に対して行われ,所属リンパ節,すなわち基靱帯節,内腸骨節,閉鎖節,外腸骨節,仙骨節,総腸骨節,鼠径上節などの骨盤リンパ節pelvic lymph node(PLN)の郭清も含まれる1)。しかし,最近では傍大動脈リンパ節para—aortic lymph node(PAN)や前斜角筋リンパ節scalene lymph node(SLN)の検索も行われるようになってきた2-5)。
私は開腹したら,まず腹腔内の精査とPAN検索を行ってから手術操作を進めることにしている4)。頸癌でPANが明らかに陽性であれば広汎全摘は行わずに放射線療法とする。しかし,放射線照射が効きにくいと考えられる1cm以上に腫大した転移リンパ節はできるだけ切除するようにしている。体癌でPANが陽性であれば,広汎全摘は行わないが,単純子宮全摘出術と骨盤リンパ節郭清を行い,術後に放射線照射なり化学療法なりの追加治療を行う。
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