Japanese
English
講座 尿路性器の断層画像の読み方
Ⅵ.睾丸(精巣)・陰嚢
Image Diagnosis of Genitourinary Organs: Ⅵ. Testis and Scrotum
澤村 良勝
1
,
田島 政晴
1
,
白井 將文
1
,
安藤 弘
1
Yoshikatsu Sawamura
1
1東邦大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Toho University School of Medicine
pp.999-1004
発行日 1985年12月20日
Published Date 1985/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204183
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まえがき
陰嚢内病変の診断法として,従来より行われてきた触診法,徹照法,聴診法,穿刺法に加えて超音波断層法,超音波ドプラ法,血管造影法,RIシンチスキャン法,CTスキャン法,MRI(NMR-CT)などがあるが,断層画像としては超音波断層法がもつとも一般的な検査法として広く採用されている。RIシンチスキャン法は精索静脈瘤や睾丸回転症(睾丸捻転症)の診断に用いられてはいるが,これらの疾患に核医学断層法が応用された報告はいまだない。CTスキャン法は,X線による被曝の問題から,陰嚢内病変それ自体の診断に用いられることはほとんどなく,睾丸腫瘍の骨盤内リンパ節転移の診断など特殊な症例に採用されているに過ぎない。また,最近,MRIが陰嚢内病変に応用され,明瞭な睾丸像がえられたという報告があり,被曝の問題もなく今後期待できる断層法であるが,本法がルチーンの検査法として用いられるようになるのは,かなり先のことであろう。したがつて,本稿では陰嚢内臓器の断層画像診断法として,超音波断層法を中心とした検査法について述べることにする。
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