Japanese
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手術手技 難しい手術
睾丸固定術後の陰嚢外睾丸
Retraction of the Orchiopexied Testis up to the External Ring or Higher
小川 修
1
OsamuOgawa
1
1東京都立清瀬小児病院泌尿器科
1Department of Pediatric Urology, Tokyo Metropolitan Children's hospital
pp.857-862
発行日 1990年10月20日
Published Date 1990/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904327
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睾丸固定術後の陰嚢外睾丸は,精索とヘルニア嚢および後腹膜腔との不十分な剥離が原因で固定術後に睾丸が外鼠径輪部ないしより高位へ挙上したものと,元来高位の停留睾丸であり,睾丸動静脈の絶対的な長さが不十分なものを無理に陰嚢内へ固定したために生じたものとが考えられる.後者は,理論的にはstaged opera-tion1),long loop vas orchiopexy2),あるいはmicrosurgeryを用いたautotransplantation3)が適応となるべきものである.したがって,本稿では前者の原因によるものを想定し,その手術方法と注意点について述べることとする.睾丸動静脈および精管を損傷しないよう注意すること,高位の視野を十分に確保し,精索をヘルニア嚢,腹膜および後腹膜腔から十分に剥離し,睾丸を余裕をもって陰嚢内へ下降させることが大切である.
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