Japanese
English
講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・33
睾丸の被膜と陰嚢
Coverings of the Testis and the Scrotum
佐藤 達夫
1
Tatsuo Sato
1
1東京医科歯科大学解剖学第2講座
1Second Department of Anatomy, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
泌尿器手術
,
局所解剖
,
睾丸(精巣)
,
陰嚢
Keyword:
泌尿器手術
,
局所解剖
,
睾丸(精巣)
,
陰嚢
pp.115-122
発行日 1992年2月20日
Published Date 1992/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900526
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睾丸(精巣)は,陰嚢という皮膚の膨出部に収まり,腹壁筋の外方に位置を占める.しかし,睾丸がはじめに形成されたところは腹膜のすぐ外方(図1),言いかえれば,腹壁筋の内方であるから,腹壁筋にトンネルが掘られていなければならない,それが鼠径管である.ただ,トンネルという形容は適切とは言い難い.下降途中の睾丸は進路に立ちはだかる腹壁筋と筋膜を突き破らずに,それらを押し出しながら前進を続ける.結果として,睾丸と精索は腹壁筋・筋膜の諸構成成分で包まれることになる.睾丸と精索の被膜(被鞘)は,腹壁の層構成と対比させて考えなければならない道理である.
腹部の壁構成成分を,体表から1層ずっ剥ぐように解剖すれば,次の7層が識別できる(図2).
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