交見室
「膀胱内圧,腹腔内圧測定用カテーテル」について,他
小柳 知彦
1
1北海道大泌尿器科
pp.390-391
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202939
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「膀胱内圧,腹腔内圧測定用カテーテル」(臨泌34巻1号,近藤ら)への意見を求められたので若干の私見を述べてみたい。
まずtwo channelカテーテルに関してであるが,イリゲーターの静止水圧の影響を受けずかつ検査時間を短縮できる方法を開発された近藤博士に敬意を表したい。本法は私自身使用した経験がなく批判する資格がないと思えるので,私達が行なつているone chan-nel法についてのみ述べることとする。この場合,静止水圧の影響を除外するためには成人では16Fサイズのカテーテルを使用しかつ灌流液の点滴速度は最大1cc/secを越えないようにすることが大切と思われる。小児,殊に2,3歳の男児などの場合には8Fサイズの小児用栄養チューブを尿道カテーテルの代用とし灌流液速度は成人の1/3すなわち0.3cc/秒を越えないよう注意し,中間の年齢層ではカテーテルサイズ,灌流液速度を成人と小児の中間とするよう適宜調節すればまず臨床上静止水圧の影響が問題となることは少ないと私達は考えている。
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