手術手技
追加発言 2
久保 隆
1
Takashi Kubo
1
1岩手医科大学医学部泌尿器科学教室
pp.600-601
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203608
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膀胱憩室は外来診療で比較的多くみられておりながら,手術適応のため入院するものが少ない。教室の1980年以降3年間の入院患者1,186名のうち,本症も認められ,手術のため入院したものは9例に過ぎない。年齢は60歳以上が6例で,他の3例は幼・若年者である。60歳以上の6例のうち1例は憩室腫瘍で,憩室を含む膀胱部分切除術を受けたが,再発して不幸な転帰をとつた。このように憩室は比較的高齢者に発見され,その中に腫瘍が発生しても発見のおくれることがあるので,内視鏡的に憩室内を視診できないときは,細胞診や超音波断層診断などにより,まず腫瘍の存在を否定することが大切である。
また一方,憩室摘出術の適応となつた場合は,必ず内視鏡的に憩室口の位置および大きさを確認し,更に膀胱造影法を行い,テレビ透視下に体位を変換しながら,憩室の大きさ,膀胱に対する位置的関係などを観察しておく。
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