Japanese
English
講座
術前検査の評価(2)—循環器疾患
Principles in Evaluation of Results of Preoperative Examination (2):Cardiovascular Diseases
中江 純夫
1,2
Sumio Nakae
1,2
1杏林大学医学部胸部外科学教室
2杏林大学医学部救命救急センター
1Department of Cardiothoracic Sur-gery and Critical Care Center, Kyorin University School of Medicine
2Department of Cardiothoracic Sur-gery and Critical Care Center, Kyorin University School of Medicine
pp.125-130
発行日 1983年2月20日
Published Date 1983/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203512
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,泌尿器科領域ばかりでなく,その他の外科分野においても,循環器疾患を合併する高齢者患者を手術する機会が増えている。高齢者は加齢に伴う生理的機能低下に加えて,動脈硬化や高血圧を基盤とした諸種の循環器疾患を合併する頻度が高く,したがつて循環機能予備力が著明に低下していることが多い。そのため,術前に合併する循環器疾患や病態を把えて,患者の予備力を的確に評価することが重要となる。一般に,循環器疾患合併患者の最終的な術前評価に関しては循環器専門医に依頼することが多いが,泌尿器科医としても基礎的検査データの収集,病態の把握および基本的治療などが要求される。本稿では主として高齢者に焦点をあて,合併する循環器疾患の病態と患者の予備力を評価するために必要な術前検査,および治療法などについて記述する。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.